岳 温泉

岳温泉と呼ばれている温泉があるのをご存知でしょうか。

岳温泉（だけおんせん）は、安達太良山の麓に作られた高原に位置する温泉街です。

源泉は、現在の温泉街よりも数キロ先の安達太良山の隣にそびえる鉄山の南直下標高1,500mにあり、くろがね小屋の付近の豊富な湧泉地帯から湧き出る天然の温泉を引き湯しています。

引き湯されている間に適度に揉まれ、肌にやさしい柔らかなお湯となっているのが特徴です。

泉質は酸性泉となっており無味澄透で無臭、PHは2.48ということです。

過去には３回の災害に見舞われました。

最初の災害は1824年の山津波でした。

次に不動平に再建した岳温泉施設は戊辰戦争で焼き払われたそうです。

現在の岳温泉に隣接した深堀村に作られたものは火事で消失するといった災害を被りました。

現在の温泉施設は大正末期に木村泰治が権利一切を買い取って再建したものだそうです。

その都度復興を遂げて場所は移動していますが現在も温泉街は続いています。

現在では医学も発達して薬剤も豊富に数多くの種類がありますが、その昔抗生物質などが存在しなかった時代には、この酸性泉の温泉の医療効果は貴重なものであったということです。

「諸国温泉効能番付表」というものが江戸時代後期に作られていたようですが、その中でも岳温泉は上位にランクされていたみたいです。

美肌効果はもちろんのこと、神経痛・火傷・切り傷・慢性的な皮膚病などにも効能があるようです。

この岳温泉は、坂上田村麻呂が約1100年以上も前に「東征」した際に発見したとも言われています。

各温泉旅館は独自色を売りにしており、温泉手形を購入すれば温泉街の各館の温泉を堪能することができます。