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2024/11/26 (Tue)
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2007/07/25 (Wed)
排水基準と温泉

2007年7月1日から水質汚濁防止法の一部改正に伴うフッ素やホウ素の排出規制が強化される見通しだが、これが実施されると、かけ流し温泉の存続が危うくなると、TBSテレビが2月23日夕方のニュース番組内で伝えた。

「名湯存続の危機−源泉かけながしと排水基準」と銘打ったコーナーで、規制が強化されれば、かけ流し温泉がメインの旅館はこのままでは営業が出来なくなるという。

水質汚濁防止法が改正されたきっかけは1998年にWHO(世界保健機構)が出した報告。

アフリカや中国でフッ素やホウ素を含み水を大量に含む井戸水を飲んだ人が体調を崩したらしい。

フッ素やホウ素が排水規制を受ける理由として専門家は「ホウ素を高濃度で摂取すると嘔吐、腹痛、下痢といった症状を発生する」「フッ素は飲用水として飲み続けると歯が黒くなる」と説明した。

同専門家は、日本についても触れており「現れた症状がホウ素なりフッ素物質によるという、きちんとした因果関係を持った報告はほとんどない」「健康被害がただちに発生する恐れは非常に少ない」と述べた。

仮にホウ素・フッ素の除去設備を設置するには最低でも500〜600万円程度の資金が必要になるそうだ。

決して安い金額ではない。

番組では既に対策を講じている温泉も紹介。

新潟県・川口温泉「和楽美の湯」で1日85トンの井戸水で温泉排水を薄めてホウ素の濃度を下げているという。

除去装置の導入費用はゼロだろうが、井戸水による希釈だって費用はかかっているだろう。

番組は最後に「新基準はあまりに実態にそぐわないため、環境省は適用延期も含めて再検討している」と伝えた。

規制強化が先送りされて、猶予期間が2・3年延長されたなら、温泉旅館経営者は一安心できるだろうが、問題の解決にはならない。

ただ、利用する側としては、かけ流しの温泉が人体に何らかの害を及ぼすという報告はないので願わくば今までどおり楽しみたいところである。
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